上級になりますと、オリジナル作品の為に、過去の歴史ある書作品をマネすること=臨書(りんしょ)を学ぶ上で
✅意臨(いりん)
✅形臨(けいりん)
という言葉をご存知でしょうか?
過去の歴史ある書作品をマネすることにより、ご自身のオリジナル作品を制作するにあたり、重要な筆使いを学ぶのに臨書は有効的です。
形臨とは
先に形臨の説明をしますと、
文字のごとく、形をマネするということです。
忠実にマネすることにより、字の形、筆使い、バランスなどの技術的な側面に焦点をあて、学んでいきます。
意臨とは
手書きの著者の意図と精神をくみ取り、反映させて書くことにより、作品の雰囲気、運筆のリズムなど、形以外の要素を重視します。
ということは、形を無視して良いのか?
と思ってしまいますが、
簡単にいえば、その通りです。
私は、この作品からは、このように受け取りましたという気持ちさえ伝われば、重要とする部分は形ではないということです。
なので、意臨で書かれた場合は、千差万別で皆さん同じではなくなりますが、それは他の方の書かれた作品を鑑賞、参考にもなり、気持ちの部分で感じるモノの練習にもなると思います。
私はどちらかというと、形よりも意臨派です。
形だけをマネするというのは、今までも先生のお手本を横にマネすることは十分行ってきたと思いますので、その先を学びたいということであれば、こちらの考え方をおススメしたいです。
意臨は形臨の先にある、より高度な段階の練習を必要としますので、
今日書く意臨と明日書く意臨は、また別物になっていくと思います。
書けば書くほど進化していくのが意臨の学びだと思うからです。
古典作品を意臨するときのポイントは
✅作者の背景と精神
作者の生い立ち、また作品が書かれた時代背景や状況を調べることにより、作品に込められた作者の精神をより深く理解することができます
✅作品の意味と解釈
作品が持つ意味やメッセージを理解し、それを自分の解釈に基づいて書くことが意臨の学びです。
古典作品の解釈には、漢文や和歌の基本的なルールを知るようになっていきます。
✅自らの解釈
自分流の解釈を加えながら書き込みを行うことにより、作品をより深く理解し、自分の個性を表現する技術の進歩を目指していきます。
最後に
古典を学ぶ、臨書を学ぶ、その目的とは
という事が何なのかをわからずにただマネをする。というのは、書いていても疑問しか残らないと思います。
その意図を考え、学ぶことがご自身の作品制作の引き出しの一つとして考えて行きましょう。